TOP コラム 産業廃棄物の種類一覧|分類や具体例を解説 コラム一覧 コラム産業廃棄物の種類一覧|分類や具体例を解説 事業活動に伴い排出される産業廃棄物は、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)において20種類に分類されており、環境や人間の健康に影響のある特別管理産業廃棄物を含めて適切な処理が求められます。今回は、産業廃棄物の種類を一覧でご紹介するとともに、具体例も合わせて解説します。 目次 閉じる 開く 1. 産業廃棄物とは? 1-1. 「廃棄物」とは? 1-2. 「産業廃棄物」について 1-3. 「特別管理産業廃棄物」とは? 2. 産業廃棄物の20種類一覧 3. 特別管理産業廃棄物の種類 4. 産業廃棄物の具体例 5. まとめ 産業廃棄物とは? 産業廃棄物の定義を押さえておきましょう。 「廃棄物」とは? 廃棄物の定義は廃棄物処理法によって定められており、占有者が自ら利用し、または他人に有償で譲渡することができないために不要となった物とされています。具体的には、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物、または不要物であって、固形状または液状のものをいいます。 「産業廃棄物」について 産業廃棄物とは、事業活動で発生した廃棄物のうち、法令で定める下記の20種類を指します。 法で直接定められた6種類(燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類) 政令で定められた14種類 産業廃棄物を処理する場合、必ずこの20種類のいずれか、または、混合物として排出する必要があります。 「特別管理産業廃棄物」とは? 産業廃棄物のうち、特に有害なものを「特別管理産業廃棄物」と呼びます。廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」と定義しており、相応の処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しく規制されています。 産業廃棄物の20種類一覧 産業廃棄物の20種類は次の通りです。 1. 燃え殻 2. 汚泥 3. 廃油 4. 廃酸 5. 廃アルカリ 6. 廃プラスチック類 7. ゴムくず 8. 金属くず 9. ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず 10. 鉱さい 11. がれき類 12. ばいじん 13. 紙くず 14. 木くず 15. 繊維くず 16. 動植物性残さ 17. 動物系固形不要物 18. 動物のふん尿 19. 動物の死体 20. 法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物 詳細を見ていきましょう。 1. 燃え殻 事業活動に伴って生じる石炭がら、灰カス、焼却残灰などの燃え殻です。 2. 汚泥 工場廃水などの処理後に残る泥状のものや、製造業における製造工程において発生する泥状のものです。有機性や無機性問わずすべてを含みます。 3. 廃油 鉱物性・動植物性油脂などすべての油脂の廃油です。 4. 廃酸 酸性廃液です。例えば廃硫酸、廃塩酸、有機廃酸類などを指します。 5. 廃アルカリ アルカリ性廃液です。例えば廃ソーダ液などを指します。 6. 廃プラスチック類 固形・液状問わずすべての廃プラスチック類です。合成ゴムも含みます。 7. ゴムくず 天然ゴムくずを指します。合成ゴムは廃プラスチック類です。 8. 金属くず 鉄くずなどのあらゆる金属くずです。 9. ガラス・コンクリート・陶磁器くず ビン類や板ガラス、コンクリートブロックくず、土器や陶磁器くずなどです。 10. 鉱さい 高炉、平炉、転炉、電気炉から発生する残さい(スラグ)や、キューポラ溶鉱炉のノロ、ドロス・カラミ・スパイス、不良鉱石、粉炭かす、鉱じんなどを指します。 11. がれき類 工作物の新築・改築・除去に伴って生じた廃材を指し、コンクリートやレンガ、ブロックなどの破片などが挙げられます。 12. ばいじん ばいじんとは、ものを燃やしたときに発生する煙やすす、塵の中に含まれる微粒子のことを指します。ばい煙発生施設や焼却施設などで発生し、集じん施設で集められます。 13. 紙くず 建設業で排出された紙くずは工作物の新築・改築・除去に伴って生じたものに限ります。その他、パルプ、紙または紙加工品製造業、新聞業、出版業(印刷出版を行う事業者限定)、製本業・印刷物加工業において排出された紙くずが該当します。またPCBが塗布され、または染みこんだものが該当します。 14. 木くず 建設業で排出された木くずは工作物の新築・改築・除去に伴って生じたものに限ります。その他、木材または木製品製造業(家具の製造業を含む)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業・物品賃貸業、貨物の流通のために使用したパレットが該当します。ただし、木製パレットは、排出事業者の業種限定はありません。その他PCBが染みこんだものが該当します。 15. 繊維くず 建設業で排出された繊維くずは工作物の新築・改築・除去に伴って生じたものに限ります。その他、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く)で発生した天然繊維くずが該当します。合成繊維は廃プラスチック類です。その他、PCBが染みこんだものが該当します。 16. 動植物性残さ 食料品製造業、医薬品製造業または香料製造業において原料として使用した動物・植物に関係する固形状の不要物を指します。なお、魚市場、飲食店等から排出される動植物性残さ、または厨芥類は「事業活動に伴って生じた一般廃棄物」となり、該当しません。 17. 動物系固形不要物 と畜場においてとさつ・解体した獣畜や、食鳥処理場において食鳥処理した食鳥にまつわる固形状の不要物を指します。 18. 動物のふん尿 畜産農業に該当する事業活動に伴って発生する動物のふん尿を指します。 19. 動物の死体 畜産農業において、事業活動に伴って生ずる動物の死体を指します。 20. 法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物 産業廃棄物を処分するために処理したもので、1~19までに該当しないものを指します。例えば汚泥のコンクリート固形化物などが該当します。 特別管理産業廃棄物の種類 次に、特別管理産業廃棄物の種類を見ていきましょう。 1. 廃油(引火性廃油) 燃焼しにくい廃油を除く廃油を指し、揮発油類、灯油類、軽油類が廃油となったものが該当します。引火点が70℃未満の廃油とされています。 2. 廃酸(廃強酸) 廃酸は、著しい腐食性があるもので、水素イオン濃度指数(pH)が2.0以下のものです。 3. 廃アルカリ(廃強アルカリ) 廃アルカリは、著しい腐食性があるもので、pHが12.5以上のものです。 4. 感染性産業廃棄物 医療機関や試験研究機関などから、医療行為や研究活動などに伴い発生した産業廃棄物のうち、排出後に人に感染性を生じさせるおそれのある病原微生物が含まれる、もしくは付着、付着のおそれがあるものです。 5. 特定有害産業廃棄物 特定有害産業廃棄物は下記の11種が該当します。 ・廃PCB等 廃PCB(原液)やPCBを含む廃油です。 ・PCB汚染物 PCBが塗布された紙くず、PCBが染み込んだ汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、PCBが付着し、または封入された廃プラスチック類や金属くず、PCBが付着した陶磁器くずやがれき類が該当します。 ・PCB処理物 廃PCB等またはPCB汚染物を処分するために処理したもので基準に適合しないものです。 ・廃水銀等 特定の施設で生じた廃水銀または廃水銀化合物を指します。ただし、水銀使用製品が産業廃棄物となったものに封入された廃水銀または廃水銀化合物を除きます。また、水銀もしくはその化合物が含まれている産業廃棄物または水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀を指します。 ・指定下水汚泥 下水道法施行令第13条の4の規定により指定された汚泥です。 ・鉱さい 鉱さいとは、高炉、平炉、転炉、電気炉で生じたスラグや、キューポラ溶鉱炉のノロ・ドロス、鋳物廃砂、サンドブラスト廃砂などのうち、アルキル水銀化合物や水銀などの判定基準を超えるものを指します。 ・廃石綿等 石綿建材除去事業に関するものや、大気汚染防止法の特定粉じん発生施設を持つ事業場から発生し、飛散するおそれのあるものを指します。 ・燃え殻 特定の施設において生じた燃え殻で、重金属などの、ダイオキシン類を一定の濃度を超えて含むものを指します。 ・ばいじん 特定の施設において発生したばいじんで、重金属等、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定の濃度を超えて含むものを指します。 ・廃油 特定の施設において生じた廃油で、有機塩素化合物等、1,4-ジオキサンを一定の濃度を超えて含むものを指します。 ・汚泥、廃酸又は廃アルカリ 特定の施設において生じた汚泥、廃酸または廃アルカリで、重金属等、PCB、有機塩素化合物等、農薬等、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定の濃度を超えて含むものを指します。 産業廃棄物の具体例 産業廃棄物の20種類の具体例を紹介します。 1. 燃え殻: 石炭がら、灰かす、廃棄物焼却灰、炉清掃掃出物など 2. 汚泥: 有機性汚泥(製紙スラッジ、下水汚泥など)、無機性汚泥(浄水場沈でん汚泥、中和沈でん汚泥など) 3. 廃油: 鉱物性油(灯油、軽油、重油など)、潤滑油系廃油(スピンドル油、冷凍機油など)、切削油系廃油、洗浄油系廃油、絶縁油系廃油、圧延油系廃油など 4. 廃酸: 無機廃酸(硫酸、塩酸、硝酸など)、有機廃酸(ギ酸、酢酸、シュウ酸など)など 5. 廃アルカリ: 洗びん用廃アルカリ、石炭廃液、廃灰汁、アルカリ性めっき廃液など 6. 廃プラスチック類: 廃ポリウレタン、廃スチロール、廃ポリ容器類、電線の被覆くず、廃タイヤなど 7. ゴムくず: 切断くず、裁断くず、ゴムくず、ゴム引布くずなど 8. 金属くず: 鉄くず、空かん、古鉄・スクラップ、ブリキ、切断くず、切削くず、研磨くずなど 9. ガラス・コンクリート・陶磁器くず: ・ガラスくず:廃空ビン類、板ガラスくず、破損ガラスなど ・コンクリートくず:製造工程等で生じるコンクリートブロックくず、インターロッキングくず、石膏ボードくずなど ・陶磁器くず:土器くず、陶器くず、レンガくず、タイルくずなど 10. 鉱さい: 高炉、平炉、転炉、電気炉からの残さい(スラグ)、キューポラ溶鉱炉のノロ、ドロス・カラミ・スパイス、ボタ、不良鉱石など 11. がれき類: コンクリート破片、レンガ破片、ブロック破片、石類、瓦破片など 12. ばいじん: 電気集じん機捕集ダスト、バグフィルター捕集ダスト、サイクロン捕集ダストなど 13. 紙くず: 建材の包装紙、板紙、印刷くず、製本くず、裁断くずなど 14. 木くず: 建設業関係の建物、橋、電柱、工事現場の廃木材など 15. 繊維くず: 木綿くず、羊毛くず、麻くず、糸くず、布くずなど 16. 動植物性残さ: 動物性残さ:魚・獣の骨、皮、内臓等のあらなど 植物性残さ:野菜くず、果実の皮、ソースかす、しょうゆかす、こうじかす、酒かすなど 17. 動物系固形不要物: と蓄場において処分した獣畜、食鳥処理場において処理した食鳥 18. 動物のふん尿: 牛、馬、豚などのふん尿 19. 動物の死体: 牛、馬、豚などの死体 20. 法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物: 有害汚泥のコンクリート固形物、焼却灰の溶融固形化物 まとめ 廃棄物を処理する際は、産業廃棄物に該当するかどうか事前に確認した上で、適切に処理することが求められます。不法投棄などが問題視される中、適切な処理方法を選択するのはもちろんのこと、社内での産業廃棄物の処理に関する管理体制を万全にしておくことで、管理の目が行き届き、リスクを未然に防ぐことができるでしょう。 産業廃棄物の管理に課題をお持ちの方は、「環境エース一元くん」がおすすめです。企業の廃棄業務を効率的に一元管理するための先進的なシステムであり、廃棄物の発生から処理・リサイクルまでの全プロセスをデジタル化し、リアルタイムでの状況把握と迅速な対応を可能にします。使いやすいインターフェースと豊富な機能により、法令遵守やコスト削減、環境負荷の低減を実現します。 詳細は下記のサービス詳細ページをご覧いただき、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。 サービス詳細はこちら 解決できる課題 紙マニフェストなどの紙での作業が多く 煩雑な作業になっている 電子マニフェストの導入で 処理フローを可視化したい コンプライアンス に 則っているか わかるようにしたい 処理業者の管理を 効率化したい 廃棄物処理データを 分析したい 廃棄物処理業務の スキルを向上させたい 解決できる課題一覧を見る 機能一覧 契約管理 マニフェスト発行 委託 集計・分析 詳細を見る お役立ち資料 「環境エース一元くん」ご提案資料 環境エース一元くんのご提案資料です。 一元くんは廃棄物処理を処理するプロセスにまつわる全ての業務を「省力化」し、「適正化」するための強力なツールとなります。 また、廃棄物の状況を「見える化」することで、SDGsなどを見据えた経営戦略に生かすことも可能になります。 「環境エース一元くん」システム説明資料 排出企業における廃棄業務についての課題を環境エース一元くんが解決します。一元くんでできることや、基本的な仕組み、契約前・契約後のフローについてご紹介しています。 資料ダウンロード
コラム産業廃棄物の種類一覧|分類や具体例を解説 事業活動に伴い排出される産業廃棄物は、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)において20種類に分類されており、環境や人間の健康に影響のある特別管理産業廃棄物を含めて適切な処理が求められます。今回は、産業廃棄物の種類を一覧でご紹介するとともに、具体例も合わせて解説します。 目次 閉じる 開く 1. 産業廃棄物とは? 1-1. 「廃棄物」とは? 1-2. 「産業廃棄物」について 1-3. 「特別管理産業廃棄物」とは? 2. 産業廃棄物の20種類一覧 3. 特別管理産業廃棄物の種類 4. 産業廃棄物の具体例 5. まとめ 産業廃棄物とは? 産業廃棄物の定義を押さえておきましょう。 「廃棄物」とは? 廃棄物の定義は廃棄物処理法によって定められており、占有者が自ら利用し、または他人に有償で譲渡することができないために不要となった物とされています。具体的には、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物、または不要物であって、固形状または液状のものをいいます。 「産業廃棄物」について 産業廃棄物とは、事業活動で発生した廃棄物のうち、法令で定める下記の20種類を指します。 法で直接定められた6種類(燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類) 政令で定められた14種類 産業廃棄物を処理する場合、必ずこの20種類のいずれか、または、混合物として排出する必要があります。 「特別管理産業廃棄物」とは? 産業廃棄物のうち、特に有害なものを「特別管理産業廃棄物」と呼びます。廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」と定義しており、相応の処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しく規制されています。 産業廃棄物の20種類一覧 産業廃棄物の20種類は次の通りです。 1. 燃え殻 2. 汚泥 3. 廃油 4. 廃酸 5. 廃アルカリ 6. 廃プラスチック類 7. ゴムくず 8. 金属くず 9. ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず 10. 鉱さい 11. がれき類 12. ばいじん 13. 紙くず 14. 木くず 15. 繊維くず 16. 動植物性残さ 17. 動物系固形不要物 18. 動物のふん尿 19. 動物の死体 20. 法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物 詳細を見ていきましょう。 1. 燃え殻 事業活動に伴って生じる石炭がら、灰カス、焼却残灰などの燃え殻です。 2. 汚泥 工場廃水などの処理後に残る泥状のものや、製造業における製造工程において発生する泥状のものです。有機性や無機性問わずすべてを含みます。 3. 廃油 鉱物性・動植物性油脂などすべての油脂の廃油です。 4. 廃酸 酸性廃液です。例えば廃硫酸、廃塩酸、有機廃酸類などを指します。 5. 廃アルカリ アルカリ性廃液です。例えば廃ソーダ液などを指します。 6. 廃プラスチック類 固形・液状問わずすべての廃プラスチック類です。合成ゴムも含みます。 7. ゴムくず 天然ゴムくずを指します。合成ゴムは廃プラスチック類です。 8. 金属くず 鉄くずなどのあらゆる金属くずです。 9. ガラス・コンクリート・陶磁器くず ビン類や板ガラス、コンクリートブロックくず、土器や陶磁器くずなどです。 10. 鉱さい 高炉、平炉、転炉、電気炉から発生する残さい(スラグ)や、キューポラ溶鉱炉のノロ、ドロス・カラミ・スパイス、不良鉱石、粉炭かす、鉱じんなどを指します。 11. がれき類 工作物の新築・改築・除去に伴って生じた廃材を指し、コンクリートやレンガ、ブロックなどの破片などが挙げられます。 12. ばいじん ばいじんとは、ものを燃やしたときに発生する煙やすす、塵の中に含まれる微粒子のことを指します。ばい煙発生施設や焼却施設などで発生し、集じん施設で集められます。 13. 紙くず 建設業で排出された紙くずは工作物の新築・改築・除去に伴って生じたものに限ります。その他、パルプ、紙または紙加工品製造業、新聞業、出版業(印刷出版を行う事業者限定)、製本業・印刷物加工業において排出された紙くずが該当します。またPCBが塗布され、または染みこんだものが該当します。 14. 木くず 建設業で排出された木くずは工作物の新築・改築・除去に伴って生じたものに限ります。その他、木材または木製品製造業(家具の製造業を含む)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業・物品賃貸業、貨物の流通のために使用したパレットが該当します。ただし、木製パレットは、排出事業者の業種限定はありません。その他PCBが染みこんだものが該当します。 15. 繊維くず 建設業で排出された繊維くずは工作物の新築・改築・除去に伴って生じたものに限ります。その他、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く)で発生した天然繊維くずが該当します。合成繊維は廃プラスチック類です。その他、PCBが染みこんだものが該当します。 16. 動植物性残さ 食料品製造業、医薬品製造業または香料製造業において原料として使用した動物・植物に関係する固形状の不要物を指します。なお、魚市場、飲食店等から排出される動植物性残さ、または厨芥類は「事業活動に伴って生じた一般廃棄物」となり、該当しません。 17. 動物系固形不要物 と畜場においてとさつ・解体した獣畜や、食鳥処理場において食鳥処理した食鳥にまつわる固形状の不要物を指します。 18. 動物のふん尿 畜産農業に該当する事業活動に伴って発生する動物のふん尿を指します。 19. 動物の死体 畜産農業において、事業活動に伴って生ずる動物の死体を指します。 20. 法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物 産業廃棄物を処分するために処理したもので、1~19までに該当しないものを指します。例えば汚泥のコンクリート固形化物などが該当します。 特別管理産業廃棄物の種類 次に、特別管理産業廃棄物の種類を見ていきましょう。 1. 廃油(引火性廃油) 燃焼しにくい廃油を除く廃油を指し、揮発油類、灯油類、軽油類が廃油となったものが該当します。引火点が70℃未満の廃油とされています。 2. 廃酸(廃強酸) 廃酸は、著しい腐食性があるもので、水素イオン濃度指数(pH)が2.0以下のものです。 3. 廃アルカリ(廃強アルカリ) 廃アルカリは、著しい腐食性があるもので、pHが12.5以上のものです。 4. 感染性産業廃棄物 医療機関や試験研究機関などから、医療行為や研究活動などに伴い発生した産業廃棄物のうち、排出後に人に感染性を生じさせるおそれのある病原微生物が含まれる、もしくは付着、付着のおそれがあるものです。 5. 特定有害産業廃棄物 特定有害産業廃棄物は下記の11種が該当します。 ・廃PCB等 廃PCB(原液)やPCBを含む廃油です。 ・PCB汚染物 PCBが塗布された紙くず、PCBが染み込んだ汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、PCBが付着し、または封入された廃プラスチック類や金属くず、PCBが付着した陶磁器くずやがれき類が該当します。 ・PCB処理物 廃PCB等またはPCB汚染物を処分するために処理したもので基準に適合しないものです。 ・廃水銀等 特定の施設で生じた廃水銀または廃水銀化合物を指します。ただし、水銀使用製品が産業廃棄物となったものに封入された廃水銀または廃水銀化合物を除きます。また、水銀もしくはその化合物が含まれている産業廃棄物または水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀を指します。 ・指定下水汚泥 下水道法施行令第13条の4の規定により指定された汚泥です。 ・鉱さい 鉱さいとは、高炉、平炉、転炉、電気炉で生じたスラグや、キューポラ溶鉱炉のノロ・ドロス、鋳物廃砂、サンドブラスト廃砂などのうち、アルキル水銀化合物や水銀などの判定基準を超えるものを指します。 ・廃石綿等 石綿建材除去事業に関するものや、大気汚染防止法の特定粉じん発生施設を持つ事業場から発生し、飛散するおそれのあるものを指します。 ・燃え殻 特定の施設において生じた燃え殻で、重金属などの、ダイオキシン類を一定の濃度を超えて含むものを指します。 ・ばいじん 特定の施設において発生したばいじんで、重金属等、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定の濃度を超えて含むものを指します。 ・廃油 特定の施設において生じた廃油で、有機塩素化合物等、1,4-ジオキサンを一定の濃度を超えて含むものを指します。 ・汚泥、廃酸又は廃アルカリ 特定の施設において生じた汚泥、廃酸または廃アルカリで、重金属等、PCB、有機塩素化合物等、農薬等、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定の濃度を超えて含むものを指します。 産業廃棄物の具体例 産業廃棄物の20種類の具体例を紹介します。 1. 燃え殻: 石炭がら、灰かす、廃棄物焼却灰、炉清掃掃出物など 2. 汚泥: 有機性汚泥(製紙スラッジ、下水汚泥など)、無機性汚泥(浄水場沈でん汚泥、中和沈でん汚泥など) 3. 廃油: 鉱物性油(灯油、軽油、重油など)、潤滑油系廃油(スピンドル油、冷凍機油など)、切削油系廃油、洗浄油系廃油、絶縁油系廃油、圧延油系廃油など 4. 廃酸: 無機廃酸(硫酸、塩酸、硝酸など)、有機廃酸(ギ酸、酢酸、シュウ酸など)など 5. 廃アルカリ: 洗びん用廃アルカリ、石炭廃液、廃灰汁、アルカリ性めっき廃液など 6. 廃プラスチック類: 廃ポリウレタン、廃スチロール、廃ポリ容器類、電線の被覆くず、廃タイヤなど 7. ゴムくず: 切断くず、裁断くず、ゴムくず、ゴム引布くずなど 8. 金属くず: 鉄くず、空かん、古鉄・スクラップ、ブリキ、切断くず、切削くず、研磨くずなど 9. ガラス・コンクリート・陶磁器くず: ・ガラスくず:廃空ビン類、板ガラスくず、破損ガラスなど ・コンクリートくず:製造工程等で生じるコンクリートブロックくず、インターロッキングくず、石膏ボードくずなど ・陶磁器くず:土器くず、陶器くず、レンガくず、タイルくずなど 10. 鉱さい: 高炉、平炉、転炉、電気炉からの残さい(スラグ)、キューポラ溶鉱炉のノロ、ドロス・カラミ・スパイス、ボタ、不良鉱石など 11. がれき類: コンクリート破片、レンガ破片、ブロック破片、石類、瓦破片など 12. ばいじん: 電気集じん機捕集ダスト、バグフィルター捕集ダスト、サイクロン捕集ダストなど 13. 紙くず: 建材の包装紙、板紙、印刷くず、製本くず、裁断くずなど 14. 木くず: 建設業関係の建物、橋、電柱、工事現場の廃木材など 15. 繊維くず: 木綿くず、羊毛くず、麻くず、糸くず、布くずなど 16. 動植物性残さ: 動物性残さ:魚・獣の骨、皮、内臓等のあらなど 植物性残さ:野菜くず、果実の皮、ソースかす、しょうゆかす、こうじかす、酒かすなど 17. 動物系固形不要物: と蓄場において処分した獣畜、食鳥処理場において処理した食鳥 18. 動物のふん尿: 牛、馬、豚などのふん尿 19. 動物の死体: 牛、馬、豚などの死体 20. 法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物: 有害汚泥のコンクリート固形物、焼却灰の溶融固形化物 まとめ 廃棄物を処理する際は、産業廃棄物に該当するかどうか事前に確認した上で、適切に処理することが求められます。不法投棄などが問題視される中、適切な処理方法を選択するのはもちろんのこと、社内での産業廃棄物の処理に関する管理体制を万全にしておくことで、管理の目が行き届き、リスクを未然に防ぐことができるでしょう。 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